合鍵 ~あたしの不愉快な夏休み~
「オレんちにもバイトに来ない~

○○○るバイトにさぁ~、

塔也だけ○○○るなんてズルいよ~」


まだ言ってる……


下ネタはやめてよ、もう。

本人がを目の前にいるのに。

塔也の視線を感じて、あたしは思わず顔を赤らめてうつむいた。



(いいよ、どうせ無視でしょ、さっさと帰ろ)


あたしは塔也の横をさっとすり抜けようとした。




ところが。



塔也は、


「うるせーぞ、アホかおまえら!」


リビングの男子3人にあきれた声で怒鳴ると。

あたしを見下ろして、思いがけなく照れたようにニコッと笑った。


(あ……れ?)

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