転勤族妻の憂鬱


「そうだ!琉美、迎えに行かなくちゃ!時間、ギリギリ間に合う!」



あたしは、急いで、自分の車に乗り込み
ルームミラーで、自分の顔をみると

落ちていた口紅が、自分じゃない感じがして


手でゴシゴシと拭ったら


バックからポーチを取り出して、ガチャガチャと口紅を取り出し、


つけ直した。




そして、和樹への想いも、ここで自分の心の奥深くに封じ込めて


開かない鍵を掛けて



もう、二度と、亮介を裏切ったりしないと



心に、決めたんだ…。




< 118 / 209 >

この作品をシェア

pagetop