天国へのエレベーター
エレベーター



「ねむたいよ…おとうさん」


「我慢してね萌ちゃん」



目を覚ましたのは、ガタゴト揺れる車の中。


ワゴン車の後ろの席に乗せられてた萌は、激しく揺れる車のせいで体中が痛くなっていた。


ふと鼻を突く独特の香りに、少しホッっとした。


それは、この匂いの主のこの車ががお父さんの仕事用の車で、萌が乗りなれていたからだ。


だけど、どうしてこんな車の中にいるかわからない。


確かにお布団で寝たはずなのに……、萌はぼんやりする頭の中でそんな事ばかり思っていた。






それから、走りっぱなしだった車が止まった。


今まで気付かなかったけど、車の中に幼稚園の制服が無造作に置かれてある。


どうして?


そう聞く間もなく萌は制服と一緒にお父さんに抱かれて家に連れて行かれた。





おばあちゃんの家に。





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