親友、寺に消ゆ

嵐の中に見えたもの

ふと思い出の中から我に返って気がつくと、部屋の中は真っ暗だった。

思い出を振り返っている内にどうやら寝てしまっていたようだ。

私は壁に掛かった時計を見た。

蛍光塗料が塗られた時計の針は夜の十二時を指していた。

窓の方に目をやるとカーテンが開けっ放しだった。

だがこの部屋は八階なので誰かに覗かれる心配はない。そのままにした。

目の前のテーブルに置かれているティーカップ持って覗くと浅い水溜りのようなダージリンティーが残っている。

私はそれを一気に飲み干した。

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