未送信めーる
「つか,タケ結構思いっきり蹴ったのに平気とか...お前石頭だな」

ニコリともせず声を発したのは恵。

「あー確かに!!当たったのがお前でよかったよ」

タケも調子にのる。


私はサッカーボールを思いっきり遠くに投げ,窓を閉めて鍵を掛けた。


「ふざけてないで早く教室戻ったら??本礼まであと一分だよ?行こ,明乃」


後ろで何か言っているが,私は気にせず教室へ向かった。


席に着き,教科書を広げる。



―――あぁ,緊張した!!

私の特技は感情を顔に出さないことだから誰も気付いてないと思うけど,私はタケが好き。二年で同じクラスになって,半年後には恋をしてた。

でも,恋愛なんてガラじゃないし,笑われるだけだから誰にも秘密。


このとき笑われても伝えとけばよかったかな。


でもやっぱり伝えたら今の関係が壊れそうで,怖くて。

云えなかった。
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