CURODO
第二章 突然の襲撃者

不審

「はぁ、全く・・・。なんで強盗なんかしたのよ。人生まだまだ楽しいことはいっぱいあるのよ?こんなことで無駄にしていいの?」
 太一が帰って数秒後、突然真矢が説教しだした。
「・・・小学生のお前に言われたくねーよ。ていうかコレに着替えろ。それじゃ目立つ。」
タンスの奥にしまってあった段ボールから、出来るだけ小さい服を探して真矢に渡した。結構ぶかぶかだったが、今まで着ていた赤のワンピースよりはマシだろう。貧乏な俺がこんな見るからに金持ちの子を連れているのは怪しすぎるからな。
「そういえばさ。」
 ホコリ臭い服をくんくんと嗅いで舌をうげぇっと出している真矢がこちらを向く。
「お前・・・何であそこにいたんだ?」
「・・・。」
「普通に考えたらおかしいだろ?小学生が一人であんな時間に宝石店にいるなんて。」
 さっきからずっと気になっていた。金持ちのお嬢様が夜中の12時に一人でいるか?護衛とかはいないのか?黙り込んだ真矢をじっと見つめていると、真矢がふーっと息を吐いた。
「そうね、確かにおかしいわよね。・・・いいわ。全部教えてあげる。」
真剣な眼差しで俺を見つめ返して口を開いた。

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