学園という名の地獄
1、2時限目が終わって30分間の休み時間。


彼女はお手洗いに向かった。

それを見計らったように、全員が動き出す。


椅子にガムテープを仕掛ける。

教室はホワイトボードのため、隣の部屋から黒板消しを持ってくる。

もちろん朝、石灰をまぶしておいたので汚れている。

バケツに水を汲む。

堀内さんは廊下側の席のため、廊下で黒板消しを持って待ち構える。


堀内さんはお手洗いから帰って、普通に席についた。

教室の雰囲気が変わってないのに安心したらしい。


すると上から黒板消しが落ちてくる。

堀内さんが呆然としている間に、後ろから水をかける。


「あははははははははははっっ!!!!!」


教室中が笑いの渦に飲み込まれているよう。

堀内さんは逃げようとするけれど、何をどうやってもスカートと椅子がくっついたまま。

ガムテープならすぐにはずせるはずだけれど、きっと上に弱い接着剤か液体のりでもつけておいたのだろう。

その間に頭をモップで叩かれる。

私はそれを教室の隅で見守る――。


この時がとてつもなく大好き。


時計を見るとまだ10分しか経っていない。
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