本の間に挟まれたｵｼﾊﾞﾅ…

高校生になって半年以上が過ぎ、風が冷たくなってきた十一月。

どこにでもいそうな至って普通の女子高生である水嶋奈津子は携帯とにらめっこをしていた。

「うーん。どうしよう」

女の子らしいピンクを基調とした部屋には似つかわしくないジャージ姿でベッドの上に寝転んだ。

奈津子は普段あまり悩まないお気楽キャラなのだが、今回ばかりは少し頭を悩ませていた。

「行くべきか…いやいや」

こんなにも奈津子が悩んでいる理由は一通のメールにあった。

地元の友達で中学からの付き合いの子が合コンをしないかと誘って来たのだ。