大好きなキミは芸能人!?
「は?」

「だからキミ、芸能界に興味はないかい??」


友達と
遊んでいると
突然声をかけてきた
知らないオッサン。


「…あなた誰ですか?」

まずは身元の確認。

「私こう言う者です」


丁寧に手渡された
その人の名刺。

『芸能プロダクション
・成宮誠司』

……………?

…………?

………?


っ!!!

「つ、つまり俺をスカウトしてるんですか?」

もし違ったら
猛烈にカッコ悪い。

でもそのオッサンは
笑顔で頷いた。


ふぅ……
よかった………


……じゃなくて!!
ス、ス、スカウト!!!!!?

明らかに
ショ-ト寸前の
俺を見かねて
成宮って男は
こじんまりとした
ビルへ俺を案内した。


「ここが撮影スタジオだ………」


「…………」

俺は
思わず息を飲んだ。


ピリピリとした
真剣な空気に流れる
カメラのシャッタ-の音。

俺の想像していた
ヘラヘラのイメ-ジとは
程遠かった。

「どうだね?やる気になってくれたか??」

「すごいですね……」

「ここにいるヤツらは
みんな真剣に撮影に望んでいる。もちろん中途半端な気持ちでは芸能人など慣れっこない…しかし君には出来るんじゃないか??」


…………芸能人

今まで
全く意識したこと
なんてなかった…

ただ
親戚にはよく
やってみたら?と
言われていた。

でも親戚なんて
大半がお世辞。


そんなの真剣に
信じたことなんて
なかったし
ちっとも嬉しくなかった

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