ケンカ上等☆不良校上々↑↑

★初雪のち涙






足早に商品棚を通り抜け、出入り口へと向かう途中。




待たせちゃったし、翼怒ってるかな?とか。

小さな子どもみたいに、拗ねてるのかな?とか。

笑顔で話しかけてくれるかな?とか。



不安と期待を交えて、そんなことばかりを考えた。


とことん今日のあたしの頭の中は、翼でいっぱいだ。





今さらだけど、出入り口で待ち合わせって、悪いことしちゃったな。

寒いよね、絶対。


あれだけ手が温かい翼でも、寒いはずだよ。





だって今日は、夜は雪かもしれないって天気予報で言ってたもん。



時々ハズれる天気予報を信じて、外に何気なく視線を向けてみれば。


残念ながら、雪なんて冬を感じさせるものは降ってなくて。




ただただ気温が低くなって、息が白く染まるだけ。




温めるように両手を合わせて店内から出るとすぐ、人影を見つけた。


「翼!」






< 300 / 541 >

この作品をシェア

pagetop