ケンカ上等☆不良校上々↑↑
屈んだ理基くんは、あたしの髪に指を通す。
「ムカつくんだよ」
見つめてくる瞳は悲しそうに何かを訴えてた。
「だから、俺はキミに近付くことにした」
筋の通らないセリフを聞きながら、
「アイツの大切な人を傷付けるために」
あたしは怖くて、ただ理基くんの瞳を見つめるだけ。
誰に恨みがあるの?
どうして、そんなにつらそうなの?
言いたいのに、喉に何かが詰まったみたいに声が出せない。
「俺が、」
そのセリフと同時に、顎を掴まれ、クイッとあげられた。
手が震えて、どうすることもできなくて。
「助けてあげる。
鈴野歩夢から───」