ケンカ上等☆不良校上々↑↑
数十分のうちに起きた出来事に、まだ頭はついて来ていない。
「家まで送ってやるよ」
柔らかくて優しい笑顔で言われ、つい頷いた。
「本当に真っ暗だね」
月明かりしかないせいで、お互いの顔は見えにくいけど、
翼が優しく笑ってくれてることくらいは分かるよ。
「あっ、そーいや、おまえ何もされてねぇ?」
「うん、大丈夫」
『翼が来てくれたから』
っていう気持ちは内緒。
「心配してくれて、ありがと」
「…………」
お礼をせっかく言ったのに、答えが返ってこなくて。
「ほら、だからさ、人の心配してないで自分の心配しなよ」
ちょっと恥ずくて。
「別に俺心配するようなことなくね?」
「あるじゃん、いっぱい」
ちょっとムキになって。
「例えば?」
ちょっとだけ、照れ隠し。
「彼女のこととか?」
「はあ?もう別れたっつーの」