マジックストーン

 神崎先輩はずっと……春から私をからかって遊んでただけなの?

 付き合ったことも、まして、男の人と話すだけでも大変な私に近づいて、ずっと心の中で笑ってたの?

「――っ!!」

 今、女の人と、目が合った……。 っえ?笑ってる……?どうして笑って――

「さっき言ってたじゃない。『優衣ちゃんに飽きたから、俺と遊ばない?』って」

 ――う、そ……

 ここにいちゃいけない。だって、女の人がぐって……ぐって神崎先輩の胸元を引っ張っ――

 見たくない。

 見たくないけど、動けないんだから仕方ないの。

 やっと好きだって、これが恋なんだって初めて知ったのに。それがたった1日でなくなっちゃうなんて。

 あ……そっか。これを“失恋”って言うんだね。

 どうして……どうしてもっと早く気付かなかったんだろう。神崎先輩のことこんなに好きなのに……。

 でも。気付いたところで神崎先輩は私で遊んでたんだもんね。だったら――

「っ優衣ちゃん……?」

 ――好きだと気付かなければよかった

< 240 / 275 >

この作品をシェア

pagetop