マジックストーン
神崎先輩はずっと……春から私をからかって遊んでただけなの?
付き合ったことも、まして、男の人と話すだけでも大変な私に近づいて、ずっと心の中で笑ってたの?
「――っ!!」
今、女の人と、目が合った……。 っえ?笑ってる……?どうして笑って――
「さっき言ってたじゃない。『優衣ちゃんに飽きたから、俺と遊ばない?』って」
――う、そ……
ここにいちゃいけない。だって、女の人がぐって……ぐって神崎先輩の胸元を引っ張っ――
見たくない。
見たくないけど、動けないんだから仕方ないの。
やっと好きだって、これが恋なんだって初めて知ったのに。それがたった1日でなくなっちゃうなんて。
あ……そっか。これを“失恋”って言うんだね。
どうして……どうしてもっと早く気付かなかったんだろう。神崎先輩のことこんなに好きなのに……。
でも。気付いたところで神崎先輩は私で遊んでたんだもんね。だったら――
「っ優衣ちゃん……?」
――好きだと気付かなければよかった