Memories - 年の差恋愛 -
告白
「隠すこそとじゃないから、先に話しておくけど」

突然話し始めた飛田さんは、私のほうを見ること無くてまっすぐに前を向いたままで。

「佐智子ちゃん、俺、バツイチなんだ」

「え?」

離婚歴があるという飛田さんに、私はなんと言ったらいいのかわからなくて。

ただ黙って飛田さんを見つめることしかできなかった。

「子供は居ないんだけどね。結婚して半年で離婚した」

半年…。

結婚の経験のない私には、想像できないことだけど。

愛し合った二人が半年で別れてしまうのって、どんなことがあったのだろう。

「性格の不一致っていうのかな。喧嘩ばかりの日々にうんざりしてね」

若かった飛田さんと別れた奥さん。

同級生で、24歳で結婚したけどすぐに離婚。

会社の人は離婚歴があることすら知らない人が多いらしい。

「嘘はつきたくないから、先に話しておきたくて」

少しだけ伏せ目がちにそういった飛田さんが、ゆっくりと私のほうを振り向いてくれた。

どうしたらいいのかわからなくて、でも視線を外すこともできなくて飛田さんを見つめてしまう。
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