僕の女王様
「おかしな噂が流れているんだけど・・・」


千里は車に乗り込むと、前を見据えて言う。


「あぁ、俺が流した」


祐輝は何でもないことのようにいい車を走らせる。


「・・・やっぱり、でもどういうつもり?」


「噂のままですよ。お嬢様」


千里は深いため息をつく。


「そんなに会社がほしいの?」


この人は平気で嘘をつく、自分と同じ人種。


全てを真に受けることはできない。


「……まだ、そんなこと言ってるんですか?確かに私は会社を含めてあなたを愛しています。会社がなければあなたに興味など持たなかったでしょう。ですが、幸せにする自信はありますよ」


そう言って握られた手は私にトキメキをくれる事はなかった。
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