プラム
「あれ、今日はバニラじゃないんだ。」

「うん。最近はずっとコレだよ、酸っぱくておいしい……あ、大黒のはないけど。」

「いらねーよ、そんなモン。それよりさ、こっち座れば?」


ポンポンと自分の隣に誘導し、あたしはそこに座る。



ここは彼と座るのが一番心地いい。ソファーだけじゃなくて、家全体の雰囲気もガラリと変わる。






だけど。

「梨香ちゃん、俺と結婚しようよ。」



せっかくフワフワしたいい気分だったのに、途端に現実に引き戻された。





大黒要、26歳。

容姿は中の中ぐらいかな。優しいのかどうかイマイチわからない。
はっきりと聞いたことはないけど、とても大きな会社の勤めているらしい。お金は持ってるみたいだけど。





……既婚。
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