至適彼氏
おまけに、一体いつの間に?
窓際にいたはずの葛城君なのに、今はあたしが窓際になってるし。
そう、壁に押しやられて逃げ場ゼロ。


ヤバイ!!
これじゃ、あのトキとおんなじコトの繰り返しじゃん!!



「かっ、葛城君!!ダメだよっ!!一回たんま!!」

「なんで?」



う…。

普段の葛城君からは想像出来ないような、甘えた声に首をかしげた仕草。
おあずけをくらった子犬みたいな目であたしを見てる。
そんな目で見られたら、カワイイって思っちゃうじゃん。
許しちゃうじゃん…。


きっと今のあたし、ぽーっとした目で葛城君のコト見ちゃってるんだろうなぁ。

こんな顔見られたら、葛城君に何されるか分かんないよ。
相手は秀才。こっちはバカ。
勝ち目ゼロ。



もじもじと下を向く。



「初めては、ちゃんとしたトコロでしたいもん。」


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