20歳の私へ【短編】
「……でも連絡網じゃあ自宅か……自宅にはさすがにいなそうだよな〜…あ!そうだ!」


自宅の連絡網を探していた手を止め

あるものを探す。


「あった!」


ペラペラの紙一枚。

皆の携帯番号が書いてある紙。

でもこれは、小学校のとき集めた

電話番号ではない。

さすがにあの時、

皆が皆、携帯を持っているわけじゃなかった。

この紙は、まだ新しく、白かった。

どういう事かというと

このような時のため

自分のケータイのメモリから

6−1のクラスメイトの電話番号

だけを抜き、これに記した。

携帯の場合、勝手に消えてしまったり

水没させたとき大変なので

ここに残しておいた。

実際一度、水没させて

メモリが消えた。

まぁその後連絡が来て

また登録し直せた人もいるが

悲しいことに

連絡が来なかった人も何人かいた。

ようやく見つけた紙を

敦司のもとへ持っていった。



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