桃色アルバム~その先の光~ Part2
「何だ。驚かせんなよ」
「ごめん。いきなり。でね、さっきさとこと電話していて・・」

ゆりかは成り行きを説明しだした。


さとこからの突然の電話。
ゆりかも驚いて受話器に飛びついたらしい。
しかしそれは、上野のことではあるが、状態には関係なかった。

さとこは、上野の様子を見ているだけではなく、何かしたいという。
さとこの考えそうなことだ、と思いながらも、ゆりかには何ができるか思いつかなかった。

ふたりで考え抜いた末、千羽鶴をおろうという結果にいたったらしい。

ひとつひとつに思いをこめれば、自分たちの場所へ戻ってくるのが早くなるかもしれない、と思ったのだ。



「千羽鶴か。いいな」
「でしょ?あと休みは明日で終わりだけど、私は徹夜してでも早く仕上げる」
「よし、俺ものった。ほかのヤツらには?」
「まだ。さとこも今、渡部ん家に電話してる。知らせるの、手伝ってくれるかな?」
「もちろんだ」


そう言って、電話を切った。
すぐに、指が崎野のボタンをプッシュした。

「もしもし、崎野か?間宮だけど・・・・・・」
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