お姫様と1.5人の男
『雪佳ちゃん、こっちこっち』


玄一さんの手招きにあたしは付いて行く。桜太君は何処へ行くのか知っているみたいだけど、

あたしには教えてようとはしてくれない。教えてくれてもいいのにな。

…………ん?桜太君今何か持っていなかった?見間違いかな?

ずーっとずーっと歩き続けて、どれくらいが経ったのかなんて分からない。

辿り着いたのは小さな神社。でもちゃんと神主さんも巫女さんもいる立派な場所。

そこで丁度掃除をしていた。あたしが想像していたよりも若い神主さんが、桜太君に気付いて一言。

70代くらいかなって想像していたから40代後半の人が出てきて驚き。


「お、今日は何か用なのかい?」

「まあ……なければ来ませんからね」


桜太君が珍しく敬語!?うわあ……貴重な場面に遭遇しちゃったよ。

何て驚いていたらあたしが彼女なのか聞いているしねえ……違うのに。
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