とおりゃんせ【短編】
「これ結構重たいわ」
女学生にそう話しかけた瞬間
良枝の目の前が光った
あまりの眩しさに一瞬目を閉じたが
次の瞬間良枝は我が目を疑った
女学生の上半身が腰のあたりからズレてゆくのだ
それは調度
良枝が毎朝作る味噌汁に
手のひらの上でサイの目に切った豆腐が
きれいにツルッと小鍋の中に入っていく光景を思い出させた
「ひっ・・・」
良枝は真っ青になった・・・
カラン・・カランカラン・・・
カラン・・・
転がる空っぽの水筒の上に
目を見開いたままの女学生の上半身は滑り落ち
まるで連鎖のように
女学生の腰から下も
空気を失った風船のように
フニャフニャと崩れ落ちた