それでもあたしは、幸せだった。
やっぱり、そうなん?


ポケットを探ると、あたしにとっては必要不可欠な嗜好品であるセブンスターが当たった。


良かった、あった…


ふと笑顔になる。

あの時の衝撃か何かでぺしゃんこになった煙草の一本をくわえて火を点ける。

白い空間に赤い火種だけが、ふわふわと浮かんで見える。

吐き出した煙も空間に紛れて見えない。
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