僕にキが訪れる
11.終わりの足音。
こんな病気が、何故僕のところにやってきたのか。


その理由を、僕は考えていた。ずっと。


それは、きっと、気付かせてくれる為だったのだろう。


近付いても平気なのだと。


人間は、そうやって生きていくものなのだと。


寄り添わねば生きていけないんだと、伝える為に。

その為のチャンスをくれたのではないかと。

死を間近に控えた今、ようやく僕はそう考えられるようになっていた。
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