僕にキが訪れる
痛みはなく、ただゆっくりと体が木へと変わっていく、恐ろしい病。

感染者はなす術もなく、意識が途切れるその瞬間まで、体が全く別のモノに侵食されていく恐怖と共に生きていく。

別にそんなものは恐怖でも何でもないと思っていた自分には都合のいい病気だと思っていたが、どうやらそうでもないらしい。

自由のありがたみは、不自由を知らなければわからないということを、身をもって実感した。
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