60代の少女

彼女の秘め事

その後の4日間は忙しなかった。
とにかく弟子たちが口を酸っぱくして四五六に出展作品を決めさせ、ギャラリーへの連絡や使用部材の手配、作品の額装、関係各所への開催連絡など、絵を描いている暇などないほどだった。
いかにも「時間はまだまだあります」のような顔で、ギリギリまで新作に筆を入れていたのは、当の四五六だけ。
その新作も昨日完成し、あとは明日、ギャラリーへの搬入と展示のみというところまでなんとか漕ぎ着けた。
久しぶりに静かなアトリエで、4日間ほったらかしだった絵に、元博は筆を入れていた。
四五六は、再び真っ白なキャンバスをイーゼルにたてかけたまま、その前で例の「情報収集」をしている。
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