俺様執事のち、二重人格。






〈爽汰〉







「…んっ…朝か?」



まだ、薄暗い部屋の中、
安心仕切ったっぽい
月が隣…
というか腕の中に寝ている。











…もちろん、睡眠不足だ。







…変なことを言いまくった
自分に動揺して、寝れなかった。




いや、まず女が
隣で寝てる時点で
無理だと思うけど。










こっそりベッドを抜けて、
作業に行こうとすると
何故か、Tシャツを掴んでいる
か細い腕…




「そ…うた…」





これは…

「…仕方ねぇ…」



もう一度ベッドに入った。










ったく、執事がこんなんで
良いのか?



…なんか、コイツといると
激しくペースを乱される
俺がいる。







ましてや、泣いてる女を
突き離さなかったのなんか
初めてだ。



今までめんどくさいとしか
思わなかった、この俺が…。











…いや、待て。

昨日のは
俺にも過失があった。



しかも、女の子にあんな思い
させるのは、最悪だ。





…多分、
親近の人に対する“情”
ってやつなんだろう…





「ん…」


あ、起きるか?






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