【続】ありえない結婚生活?!★リアル出産編★
あぁ…
空気がよどんでいる。

二人が帰る時間になってもまだそんな空気は変わることがなかった。


廊下をでても、三人が歩く空気中に気まずいっていう文字が散乱している。


会話がないのが、こんなに息がつまるとは……。


うぅ…
吐き出す息が全てため息に聞こえる。


エレベーターの中も無言…。


話す言葉が見つからない。


ふぅ……。


エレベーターを降りて、瞬の私を握る手がギュッと強くなったと思ったら


やっぱり


「ママぁ…ママもいっちょにかえろーね」

ニコニコ笑顔で私を見つめる瞬。


「……瞬」


困った顔の私を見かねたのか、蓮が言った。


「瞬、ママはまだ帰れないんだよ。パパと一緒に帰ろうな」

瞬の笑顔はみるみる消えた。


「やだっ!」


こういう時、子供って赤ちゃん言葉は抜けるのね?


はっきりとした意思表示の言葉を放ち、蓮の手をふりほどいて私の後ろにまわりこんだ。


「ちゅんは、ママとかえりゅもん!」


「だ~め!瞬…こっちおいで」


蓮が強引に瞬を抱き抱えた。


「やだやだやだぁ~ママと…ママと…… ママぁ~ママぁ~」


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