*― リ ト ル―*

しばらくすると、先生らしき人が教室に入ってきた

女の先生で、年は40後半くらい。

入学式だからかは知らないけど、真っ赤な服を着ていた(正直似合わない)



「じゃあ、今から体育館に向かいます。」



先生のその言葉で、皆いっせいに動き出す。

あーかったるい。もう行きたくない...

あたしは目を半開きにして周りを見ていた。



「あっ!」



アイツっ!!!同じクラスじゃん!

あたしは机から立ち上がり



「ちょっと!」

「・・・は?」

「『は?』じゃないでしょ?『は?』じゃ!」

「なんだようるせぇーな。」

「アンタ、あたしのキーホルダー!よくも壊してくれたわね!」

「あー、コレ?」



アイツの手にはクマの顔...

やっぱり持ってた・・・。



「返しっ「似合わねー」」

「・・・は?」

「こんな鬼みたいな奴が、なんでピンクのクマなんてもってるワケ?」



なっ・・・!

達也がくれたキーホルダー...

やっぱり、似合わなかった・・・?

あたしには...達也がくれた物・・・似合わない・・・?


あたしの目から大粒の涙が出てきた。



「なっ!なんで泣くんだよっ!」

「なっ、なんでもないよ!!」

「んな分けないだろ?!そんなに泣いて!」



大声を出して、周りの視線がこっちにむく。



「何アレ?泣いてるの?」

「今から入学式なのに、あんな顔じゃみっともないわね」



周りから声が聞える。



「っ!ちょっとこっちに来い!!」

「え?」



あたしは手をとられ教室から出て行く。

あーあ...もう入学式でらんないや・・・。

そういえばコイツの名前知らないや。

どーなるんだろ、私の高校生活...



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