ギア・ドール
「それじゃあ、この機体は・・・」


 鈴蘭の不安そうな声。


「あぁ、明日、俺が操縦する・・・。その間にお前たちは逃げろや・・・。」


 あ・・・・・・。


「大丈夫なの?」


 尋ねずにはいられなかった。


 確かに、ケィ君の話を聞く限り皐月は化け物だ。


 武装も十分だし、ケィ君がこれだけの自信を持っていることは、いつも、私たちが知っているケィ君とは、違う動きを見せてくれるのだろう・・・。


 でも・・・・・・・・それでも・・・・・・・・。


 ・・・・・・・・・このギアはたったの一機・・・・・


 マシンガンにもバズーカー砲にも、弾数の限りがあって、援護も補給もない。


 ちょっとでもダメージを受ければ、ちょっとでも油断したら、それが命取りになってしまう。


「さあな?」


 ケィ君は、それだけ口にすると、ポケットからタバコを取り出し、火をつける。


 一息ついて・・・。


「でも・・・このまま、やられるわけにはいかんやろう?」


 紫煙と共に吐き出した。


「それもそうだ・・・。」


 鈴蘭がそれに続く。


「計画は昨日、話した通りや・・・。異論は?」


 予想以上に早すぎる、上層部の決定。


 計画なんて詳しく練る時間なんて、まったくなかった・・・。


 正直、荒い計画だと思う。


 うまく行くとは、思えない計画だとは思う。


 だけど・・・・・これしか方法が思いつかない・・・・・。


 だったら・・・今更、異論なんて・・・・・・・出てくるものか・・・。
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