虹色パウダー


「弱音……吐いていいかな?」



振り向いた淳平は、無理して少し笑った。




「弘道~!俺と雪乃、ちょっと行くとこあるから、図書館キャンセルするわ!!」




淳平は弘道にそう叫んで、図書館とは違う方向に歩き始めた。



細い路地に入り、いきなり淳平はしゃがみ込んだ。






「俺…… 俺、何もできなかった」




「淳平君?」






雪乃ちゃんも淳平の横にしゃがんだ。




淳平の肩は小さく震えていた。



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