虹色パウダー


『5組に友達作って、情報集めないと』


ほほう。

桜子はなかなか前向きな性格らしい。



『でも、まずはこのクラスに友達が・・・・・・』


妖精学校の決まりで、恋のきっかけを作ることはOKだけど、恋を実らせることは禁じられている。


だから、恋を始めてしまった桜子を、僕は見守ることしかできないんだ。


でもね。

友達作りには協力できる。




だってさ、さっきから桜子は注目を浴びているんだよ。


当たり前さ。


このクラスで一番かわいいのは桜子だから。



ちょっと茶色い髪。

サイドは短く、後ろは長めの髪。



きっと来月にはこのクラスの女子みんなが桜子と同じ髪型にしているかも知れない。


それくらい、桜子は憧れの眼差しを受けているんだ。



制服も、みんなと同じじゃない。


リボンをネクタイ風に結んで、中のシャツをスカートから出している。



こんな着方をしている女子は1年の中にはいない。



間違いなく桜子がファッションリーダーだ。



僕は関係ないけれど、少し誇らしい気分になった。





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