虹色パウダー

桜子の勇気




桜子の気持ちが痛いくらいわかったんだ。



涼太が淳平に言った言葉は、淳平だけじゃなくそこにいたみんなに言った言葉のようだった。



それが桜子は悲しかった。



「私、もうここでいいから!!」


桜子は、淳平と弘道に向かって叫ぶ。


「家まで送るって!」


淳平は桜子の家が知りたいんだと思う。

でも、今日はだめだ。



「もうここからすぐだから」


桜子はそう言って、みんなに手を振った。




サッキーと雪乃ちゃんはわかっていた。




声を出さずにふたりは桜子に言った。



『がんばって』ってね。




< 93 / 287 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop