男性不妊と宣告されて~不妊治療闘想記~
「静岡県からお越しの桜木様、1番の診察室へ」
そんなアナウンスが流れた時、時間は既に受付から1時間は経過していた。
「緊張するね」
無言のリュウジに寄り添い、担当医:院長と書かれた扉を開く。
「どうぞ座ってください!」
そこに座っていたのは……メガネをかけ野球少年のように短く刈り上げられた頭をした白衣の先生。
病院の院長先生というよりは、優しい担任の先生といった感じの声の大きい快活な人。
「宜しくお願いします」
「はい、よろしくね!!」
そんな明るい声と共に診察が始まった。