男性不妊と宣告されて~不妊治療闘想記~
ふと携帯に目をうつすと義理の姉からメールが入っていた。
義姉さんは今月結婚したばかり。
3年程早く結婚している私はリュウジの実家にも初孫をプレゼントしたかったし……
ひいばあちゃんに玄孫も見せてあげたかったし……
子供が欲しいって思ってから浮かんだたくさんの妄想を消していく。
簡単じゃないんだ。
天使がやって来るだけで、それってどんなに素敵な事か。
「私もリュウジも元気ですよ」
不妊治療に入った事はリュウジの家族には話してない。
だから普通にあたりさわりのない返信。
そのメール作成画面を割って携帯が大好きな、けれど今の状況には全く似合わないロックを奏でながら震えた。
着信:リュウジ