男性不妊と宣告されて~不妊治療闘想記~



流れだした毎日。


ただ、仕事に夢中になり……忘れようとした。


「桜木さんは子供作らないの?」


そんないつもの質問に


「ダンナがちょっと…」


そうすらすら言えるようになっていた。


リュウジのせいにしてしまう優しくない自分は嫌いだけど、私が不妊なんです……とも言えなかった。


もちろんリュウジと二人の時に聞かれたら濁すんだけど。


このくらいは小さなプライド、守ってもいいよね?


順調だった。


年が明けるまでは。


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