まりぉchanの秘密。








あたしは、真っ白な世界にいた。
どこまでも続く白世界。
そこに一人ぽつんとあたしは立っていた。






「どこ…ここ。」






さっきの頭痛や眩暈などなかったかのように汗一つかいてなかった。

しばらくあたりを見回していると自分の足元から黒い一本の線が延びて行った。
まるで「こっちだよ」と誰かが言うように。
あたしは、その方向に進むことにした。
黒い線の上をたどっていくと、だんだんと白世界が黒世界と変わっていった。




「なに…。」




あたしは、不安に駆られながらも進もうと足を浮かせようとするがうまく進まなかった。
いつの間にか足元にあった黒い線は消えてしまっていた。
また、たちどまるあたし。






「どうしたら…どうしたらいいの?」




すると、今度は足元から白い線が延びてきた。
ゆっくりと歩き出すと前から雪のような細かいものが降ってきた。
触れるとすぐに溶ける…だけど雪とは違う、色が付いていた。
黄・赤・青・桃…まるで喜怒哀楽を表しているようだった。




すると、また頭痛が起こった。







「んっ…ぅぁ。」






あたしは痛さに顔をゆがめた瞬間、目の前がぱぁっと明るくなった。







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