『アリガトウ』と言いたくて。
私は,そのまま萌未と二人で近くの

バーガーショップに入った。


「ねぇ,何でアタシの顔わかったの??」

私は,注文したアイスティーを啜りながら萌未に聞いた。

「初めて悠優を見かけたときに覚えた」

「えっ!?見ただけで覚えられんの?!!」

「悠優は万引きしてて印象的だったから。目立つし」

「アタシの万引きって…そんなにわかり易い??」

「アタシは自分がやってるから分かるだけ。
傍から見たらわかんないよ。悠優上手いよね」

「そお??アリガト…」

万引きが上手い

それって褒め言葉なのかな…??

でも,特技を褒められて悪い気はしない。

「萌未はいつからやってるの??」

「9歳」

「早っ…!」

「誰だってやろうと思えば出来るし。もう癖なんだよね」

「アタシもー。なんかアタシ等って似てんね」

私たちは,友人同士が久々に再会したときのように盛り上がった。

「萌未はさ,なんで凌央に告ったの??」

「んー。まあ顔??」

「何それ。嘘でしょ?」

「なんで嘘ってわかったの?」

「だって凌央万引きにうるさいから,
顔だけの理由でで付き合うの面倒じゃん」

「するどいねー。流石」

「本当のこと教えてよ」

「んー…そうだねぇ…」
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