『アリガトウ』と言いたくて。

#06 足を洗います


「え…アタシ??」


まさか,こんなことになるなんて。


「俺…悠優のこと好きだ」


思ってなかったよ…。


「は…??」


「俺,本気だから」


「だって,萌未と付き合ってんじゃん…」


「別れる」


凌央の目は,真っ直ぐに私を見ていた。



「そんな簡単に別れるとか言わないで…」


「俺が好きなのは悠優なんだ」



私って嫌な女なのかな??


友だちの彼氏なのに。


会って間もないのに。


好きって言われて…

涙が出るほど嬉しいの。


「でも私,万引きしたよ…??」

そう,私は凌央を裏切った。

「悠優は…今からでも止められる」


本当に。


私なんかでいいの?


いけないことって分かってる。

でも,好きなの。

ごめんね,萌未。

「返事は…??」

答えなんて決まってる―

「アタシも好き」
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