西の狼



「……あれだ………」




二人は街外れの丘にやって来た。

二人が見つめる先では、先に出たヴォルカス率いる騎士団と、敵らしき魔物や戦士の群が戦っていた。



「……敵の数もかなり多いな……」


「じゃあ、ここでレオンさんも召喚術を使ってみないッスか?」



「……今、ここでか……?」



「ここなら、どんなのが召喚されても大丈夫ッスよ。」


「……そうだな…やってみるか……」




二人は馬から降りた。

「まずは、意識を集中して魔力を集めるッス。」



「あぁ……」



レオンはロジャーの言う通りにした。



「その調子ッス……次に、心の中で自分の力になってくれる存在を願うんス。」


「……心の中で……」




レオンは、更に意識を集中させて魔力を集めた。

すると、レオンの足元に薄い魔方陣が現われた。



「そのまま、相手をこっちに引っ張るッス!!」


「!来い!!」



レオンは何かを掴んだ気配を頼りに一気に引っ張った。

足元に現われた魔方陣が一際強い光を放ったかと思うと、光はすぐに消えた。




「………?何も起きないが………」


レオンはロジャーの顔を見た。その顔は明らかにレオンよりも高い位置を見上げている。
そういえばさっきから日が陰っている様な………



「レオンさん……後ろ……」


「?後ろ………?」




ロジャーが指差す方にレオンはゆっくりと首を振った。







そこには………








「なんだ…これは……」






それは、山の様に巨大な、黒い鎧を身に纏った巨人が片膝を着いていた。

頭には二本の曲がった角が生え、二つの紅い瞳が輝いている。

その右手には、巨大な大剣を握っている。
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