ただ伝えたくて
1,始まりの新学期
桜が咲く季節は

新たな始まりを予感させる…


二人の出会いももうすぐ訪れようとしていた…




「いってきます!」


勢いよく玄関のドアを開け、家の前で待つ彼に声をかける。

「智先輩っ、おはよう」

彼に話しかける彼女は、神崎 理沙(かんざき りさ)。


「おはよう。理沙は高2になっても変わらないな」


彼は理沙の幼馴染の木下 智(きのした さとる)。


バスケ部に所属していて、朝練がないときはいつも理沙を家の前で待っている。


「なにそれ!でも、智先輩はこれから受験生だから大変だね」

「そこを言ったらだめだろ」

智は苦笑いしながら言った。


「ごめん、でも智先輩は頭いいでしょ!それより行こう」

「そうだな」


二人は学校に向かっていつもの通学路を歩いていった。




学校の近くまで来ると、理沙の友達の恵子(けいこ)と紗希(さき)が話しかけてきた。

「理沙、おはよう!」

「あっ、二人ともおはよう」


智は気を使い、理沙に先に行くと目で合図をすると先に進んでいった。


「まったく、朝からラブラブだね」

理沙をからかう二人。

「そんなんじゃないもん、ただ智先輩は憧れてるだけ!」

「えー!嘘ついちゃって」

二人に冷やかされながら、理沙は学校へと向かっていた。



理沙は誰にも言ってなかったが、いつもあこがれ程度で本気の恋をしたことがなかった。


だから理沙は、この新学期には恋が始まる予感がして、胸をときめかせていた。

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