ただ伝えたくて
圭に尋ねられた正也は、両手を合わせて言ってきた。

「急なんだけどさ、日曜Wデートに付き合ってくれ!」

突然のお願いに圭は驚いた。



「だって彼女が、恥ずかしいからWデートが良いって言うんだよ」

顔をニヤつかせながら言う正也を見て、圭は呆れながら言う。

「あぁ、あの真奈(まな)ちゃんて子だっけ?ってか、もう一人は誰なんだよ」

正也は少し考えると顔をニコニコさせて言ってきた。

「確か真奈の友達の……神崎 理沙って子だったかな?お前がダチにからかわれる原因の子だろ」


「お前まで言うなよ」

圭は正也を軽く睨みつけた。

「分かったよ。でも、少しは気に入ってるのはほんとだろ?」

「……知るか!今までの女が激しいのばっかだったから、珍しかっただけだし」

圭が目をそらして言うと、正也は笑いながら圭に聞いた。

「ところでさ、一緒に行ってくれるか?」


圭は少し考えると、口を開いた。

「仕方ねぇな……行くよ」



結局圭は用事もなく、正也の頼みだったため、一緒に行くことにした。


けど心の奥では、相手が理沙だったからと密かに思っていた。
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