華コトバ
出会い
『・な・・・・今日からここでくらすのよ。幸せになってね・・・・』

これは、私が唯一覚えている言葉。


名前が途切れてる・・・・でもなぁ。。。

「華。いけばなの時間ですよ。」


「はい。」

人生ってこんなものなんだろうか。
私が記憶をなくしたりしなかったら少しは楽しかったのかな??


「今日のテーマは春。花はあちらに、用意してあるわ。」

ゆっくりと花を取りにいく人達・・・


私も、いかなきゃなぁ・・・・


でも。。。。まなちゃんはいかないのかな?

ずっと座ったまま。


「まなちゃん??」

「・・・・」

「どうしたの??」


「すいません。ちょっとお手洗いに行ってきます。」

「あら。麻奈、珍しいわね。」


「ちょっと・・・・」


なんかあったのかな????




「華。もう時間よ。いけばなも、しないで。次はお稽古よ。」


なんで一日で記憶がなくなるっていうのにそこまでやらせるんだろう??



「あ、はな。はなはな~っと」

「え?私ですか??」


「違うわ・・・花に水遣りをしなきゃと思ってね。」


「私・・・・やりましょうか??」


「はい・・・・」


「久々に、外に出た。。。誰かに会えるかなぁ?」


「あ・・・桜・・・・もうすぐ咲きそうだなぁ・・・」

「それ桜じゃねぇよ??」

「・・・え?」
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