枕草子・伊勢物語

105段 みぐるしきもの

105段 見ぐるしきもの

(前略)
 色黒くにくげなる女の鬘したると、髭がちに、かじけ、やせやせなる男と、夏、昼寝したるこそ、いと見ぐるしけれ。なにの見る甲斐にて、さて臥いたるならむ。(中略)夏、昼寝して起きたるは、(中略)えせ容貌は、つやめき、寝腫れて、ようせずは頬ゆがみもしぬべし。かたみにうち見かはしたらむほどの、生ける甲斐なさよ。
(後略)


 色黒で入れ毛をしたブスな女と、髭もじゃのガリガリな男が、夏の昼間っから寝ているのは、ホント、みっともないわね。どこが良くてそんなことをするのかしら。(省略部分大意:夜ならその醜い姿を見なくて良いのにね。)夏に昼寝して起きたときに(美男美女のカップルなら、まあ、風情はあるだろうけど)そんな顔なら、顔は脂で光って、腫れぼったくなっていて、顔が歪んでいることもあるんじゃないの。そんな二人が顔を見合わせたら……死んだ方がましね。


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