怪盗ブログ


大貴はリビングにいた。


大貴ならなんとかしてくれるんじゃないかと思った。



でも、こんなことを大貴に頼るなんて、気が進まない。
他の男につけられたキスマークをどうやって隠すか、それを恋人に相談するなんて。


そう思いながらも、他の手も思いつかなくて結局大貴に声を掛けた。


かかった時間はほんの十数分。

大貴は首の痕に特殊メイクを施してくれた。

こんなことまで出来るなんて知らなかった。


「学校まで送る」


車のキーを持って言う大貴。


「いいよいいよ!今日は大学行く日でしょ?」


まさか十星も白昼堂々何かしては来ないだろうし。

今朝のこともあるし、心配してくれるだけで嬉しかった。


「行ってきます」


左手をひらひら振ってスニーカーに足を入れる。


「……気を付けろよ」

「うん」


玄関で見送られ、部屋を出た。

同じ階にある十星の部屋の前を早足で通り過ぎる。

通り過ぎるときには、あたしの制服のリボン返ってくるのかな、なんて考えていた。


朝の大貴の言葉とキスで、十星に襲われかけたことはもうほとんど気にならなくなっていた。
< 187 / 263 >

この作品をシェア

pagetop