不良×依存症


「…別に。俺の心配せんと、自分の心配しかしてないんか。結局」



またふて腐れた少年…もとい弥生捺来が冷めた口調で言った。


「そういうんじゃない。分かってるだろ?俺がこの業界辞めたら…」



そう言うと桜庭海斗は、口を止めた。



「…知らんわ!俺はやってない!盗んでない!」



彼の瞳は、何かを訴えていた。



あたしは、


あたしなら分かる。


その意味を。


きっと……。




「……話を詳しく聞かせてくれないか?」



蓮兄の言葉を最後に沈黙の時が流れた。



雪さんはただ畳の上で、気持ちよさそうに寝ているところだった。

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