不良×依存症

告白



* *


夏休み、月日が流れるのははやいものだ。


なっちゃんに会えない日々が続く中、あたしはつまらない生活を送っていた。




「…勝ったよ!勝ったよ、央!」


電話の向こうから、聞こえる陸のハイな声にあたしの耳が痛くなる。



もー。

あたし、眠っていたのに!


「ぉめでとぅ…」


「あ、眠ってた?今、何時だと思ってんだよ」


あたしは陸にそういわれ、時計を確認する。



「わっ、3時」


「もう15時だぜー。目覚ませよなー」


電話口から、陸の笑い声が聞こえる。


「最近、夜型でさぁ。ゲームばっかしてんの」


「最悪だな。もはや、女の欠片も見つからない」



「野球知りたいなって思って、プロ野球選手がでるソフト買ったんだ」


「あー。昔ハマッてたなぁ」


「へへっ。おかげでプロ野球は12チームあって、セリーグ、パリーグに分かれてるってのも知った」


「今頃ですかいな」


相変わらず、陸とは会話がはずむ。


あたしと、陸って本当相性があうみたい。



「勝ったのをさ、一番教えたくて、お前に今電話してる」



「そっか」


< 199 / 346 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop