不良×依存症



「えっ、えええええ!?なっちゃん弟いたの!?」


「腹違いの弟やねん。今は、中3かな」


………う、うそーん


てっきり2人兄弟だと思った…。



「安西陸が中3のとき、弟は中1でな、バッテリー組んでん」


「へ、へぇ」


それってすごい事なの?


まず、バッテリーってナンデスカ?


ってことは、なっちゃんの弟も野球をやっているってこと?





「あ、はじまる」


なっちゃんがそう言った瞬間、今まであたしの耳に入ってこなかった周りの声援が一気に大きくなった。


う、うるせー!



「あ、陸だ。陸ー!」


あたしは陸を素早く見つけ、手を振った。



しかし、周りだって色々声援がある。



あたしたちの席は丁度真ん中で、東の応援、相手の応援がぶつかりあう位置だ。



その応援にあたしの大声は掻き消されていった。


もー!

陸がきーづーかーなーい!



あたしは周り同様、立ち上がって陸ーと叫んだ。



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