不良×依存症


「あんた等の会話クラスのみんなで聞いてると、本当陸って可哀相。」


明菜が腰に手をついて、あたしを見下ろす。


何よ、チビのくせに椅子なんかに乗りやがって。


ていうか、クラス全員であたしと陸の会話聞かないでよ!


ハッ!

じゃあ、あたしの初チューの話も聞いてたってこと?

…本当、最悪なクラス。


あたしは再び、床に崩れ落ちた。




「さっき青山さん来てたじゃん?あの時の陸の顔すごかったよ。らしくない表情浮かべてさ、爪噛んでさあ」


酒巻は肩をすくめ、ハハッと馬鹿にしたように笑う。


そしてクラスの全員も、笑う。


…ていうか、もう最悪。


もう1年以上の長い付き合いのクラスだから、団結力は半端ない。


だけど。


あいすぎだろ…。


恐るべし、2年4組…。


「あれっ、何で笑ってんのっ!?」


語尾に☆が5つくらい付きそうな勢いで現れた陸の声。


陸の声と同時にみんなの笑い声が消え去り、何事もなかったような顔を浮かべる。



「へっ?」

陸の間抜けな声だけが、教室中に響き渡る。


「えっ、何何っ。央、何があったの?」


あたしはまだ床にへばりついている状態で、背の高い陸を見上げるには辛い体勢だった。
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