俺様上司生活
「何イチャついてんの、やらし~緒方」

「し、城崎副部長!」


光を受けながら、サラサラと揺れる城崎副部長の真っ茶色な髪の毛が目に当たって痛い。

緒方はムスッとしながら、こう発した。


「悪い…城崎。コイツを運んでやってくれ。俺じゃとてもじゃないけど無理だ」

「…はァ!?レディーに失礼だろーが!」

「どこがレディーだ。品の欠片もないじゃないか。…あ、それと今日の勝負は中止だ。どっちにせよ、お前その足じゃ無理だろ」


緒方に釣られて、たちまち不機嫌になるあたしを、クスッと笑いながら見ている城崎副部長。


「さ、医務室行こうか。羽鳥さん。何も勝負は今日じゃなくてもいいじゃん。ね?」


そう言って優しく腕を持ち上げてくれる城崎福部長が、より一層天使に見えてくる。緒方とは大違いだ。


「べーっだ!」


この時のあたしはまだ平凡だった。近いうちにIDに推薦されることも知らずに…
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