レンタるな恋人

待ち呆けな3日間

待ち合わせ場所に行ったところで琉菜がいるはずがない

俺は資料に書いてあった琉菜の家に向かった

呼び鈴を押しても何の応答もなかった
部屋の明かりはついておらず

帰っている気配はない


どこかに遊びに行ったのか

それともナンパでもして抱いてくれそうな人を探しているとか?


俺はアパートの入口にある縁石に腰をおろした

真っ暗な空には、星がいくつか輝いている


スーツの胸ポケットに入っている単語帳を取り出すと、俺は勉強を始めた

一応、会社員風に見えるけれど
中身は『冬馬 郁巳』だ

学年10位以下の成績にでもなったら、今度は母親に何をされるかわからない

あの親子は男に厳しいんだよな
異常に!

成績は学年10位以内に入れ
男はまず頭がよくなくちゃいけない

学校は休まず行け(仕事させておいて、何を言ってるって感じじゃね?)
最低限の義務は果たせって意味らしい

身だしなみをきちんとしろ
清潔な服を身につけるだけじゃなくて、ちょっとしたおしゃれ感を出せって言うんだ
面倒くせー

そしてレディーファースト

女を大切に扱え
女に殴られても、男はどんなことがあろうとも女に手をあげるな

冗談でも叩くなんてあり得ない



それが母親と姉貴の中で決められている男のありかた

…なために俺が犠牲になる


あの親子の理想に沿うように俺が動かされる


そんなことばっかり言ってるから
現実世界で彼氏ができねーんだよ

…って母親は俺らを生んでるだから
恋愛経験はあるわけだ



どんな男と恋愛したか知らねーけど

顔は良い男だったんだろうな

別に俺の顔はぶさいくじゃねえから
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